【日本初】COCO VILLA 飯綱高原の「電気式イグルーサウナ」とは?サウナのプロ・メトスに聞く熱設計と「Hanko」の魅力
日本全国に展開する、1日1組限定のサウナ付き一棟貸しヴィラ「COCO VILLA」。
海や山、森など、それぞれの土地の自然や建物の特徴を活かしながら、拠点ごとに異なるサウナ空間をつくっています。
そのひとつ、長野県・飯綱高原の森に佇む「COCO VILLA 飯綱高原」に導入されたのが、特徴的なドーム型の「イグルーサウナ」です。
そして今回導入されたのは、なんと日本初となる、電気式サウナヒーターを搭載したイグルーサウナ。
通常は薪式ヒーターを標準仕様とするイグルーサウナに、電気式ヒーターを組み合わせることで、安定した熱と本格的なロウリュを楽しめる、新しいサウナ空間が誕生しました。
このサウナを手がけたのは、業務用サウナをはじめ、家庭用・アウトドアサウナまで幅広く展開するメトス(METOS)。
今回はメトスの担当者に、COCO VILLA 飯綱高原のイグルーサウナについて取材しました。
なぜ電気式ヒーターを採用したのか。イグルー型ならではの熱や蒸気の広がり方とは…サウナ室の設計に込められた工夫から、実際の楽しみ方まで詳しく紹介します。
執筆& サウナ宿 編集部
監修株式会社メトス
目次
日本のサウナ文化を支えてきた「メトス(METOS)」とは?

メトス(METOS)は、1947年に中山産業株式会社として創業し、1966年にフィンランドのサウナを日本へ導入した、サウナ・温浴設備の専門企業です。
日本でサウナ文化が広がり始めた時代から、業務用サウナの設計・施工を中心に、その普及を支えてきました。
現在では、家庭用サウナやアウトドアサウナ、サウナヒーターなども幅広く展開。
国内に流通する業務用サウナの約60%を占めるなど、日本のサウナ文化を長年支えてきた企業のひとつです。
サウナ室の温度やデザインは、利用者がすぐに感じられるものです。
その一方で、その快適さを支えているのは、断熱や換気、熱の逃げ方、結露への対策など、普段は目に見えない部分の設計です。
こうした部分まで含めてつくり込むことが、メトスの考えるサウナづくりの基本にあります。
COCO VILLA飯綱高原に導入された「イグルーサウナ」の魅力とは?

今回、COCO VILLA 飯綱高原に設置されたイグルーサウナは、メトスが取り扱う屋外設置型のアウトドアサウナです。
「イグルー」とは、北極圏でつくられてきたドーム型の住居のこと。
日本の「かまくら」にも似た丸みのある形状が特徴で、イグルーサウナにもその特徴的なフォルムが取り入れられています。
木材を使った温かみのある外観は、森や湖畔といった自然豊かな環境にもなじみやすく、サウナそのものが景観の一部になるようなデザインも魅力です。

標準仕様の主なスペックは、次の通りです。
| 項目 | 仕様 |
|---|---|
| サイズ | 全長 約2,300mm 全高 約3,000mm(煙突部分含む) サウナ室 約4m² |
| 煙突 | 内径φ115mm 外径φ215mm |
| 重量 | 約450kg |
| 内装材 | アスペン |
| 外装材 | スプルス |
| サウナ定員 | 4名 |
引用|株式会社メトス「イグルーサウナ」
イグルーサウナでは、内装にアスペン、外装にスプルスが使われています。
アスペンは熱が伝わりにくく、明るくすっきりとした木目で、サウナ室をやわらかな雰囲気に仕上げます。
スプルスは自然な木目と温かみが特徴で、森や湖畔などの景観にもなじみやすい素材です。
機能性と自然との調和を兼ね備えた木材選びも、イグルーサウナの魅力のひとつです。

編集部
上平さん
自然との一体感だけでなく、サウナ室内での熱の感じ方にも、イグルーサウナならではの特徴があります。

イグルーサウナは、サウナ室の天井が丸みを帯びているため、温められた空気やロウリュによって発生した蒸気が、ドーム形状に沿って室内へ広がりやすい構造になっています。
一般的な四角いサウナ室とは空間の形が異なるため、コンパクトな室内で熱や蒸気の動きを感じやすいことも、イグルーサウナならではの特徴です。
上平さん
COCO VILLA 飯綱高原のイグルーサウナは2段ベンチを採用しているため、座る位置によって体感温度を調整できます。
上段ではしっかりとした熱を、下段では穏やかな熱を楽しめるため、その日の体調や好みに合わせて無理なく入っていただけます。
イグルーサウナに採用されたHelo「Hanko」の特徴とは?

COCO VILLA飯綱高原のサウナに採用されたのは、Helo(ヘロ)の電気式サウナヒーター「Hanko(ハンコ)」です。
Hankoは、フィンランドの伝統的なサウナ文化を受け継ぎながら、現代のライフスタイルにも適した使いやすさを備えた電気式サウナヒーターです。
Heloは、1919年にフィンランドのヴィボルグで誕生した歴史あるサウナブランドです。
創業当時は薪式サウナが主流でしたが、Heloのエンジニアであったオスカー・ヴィクストロムが、世界初となる電気式サウナヒーターの試作品を開発。
これをきっかけに、サウナの楽しみ方に新たな可能性を広げました。
その後、1961年には現在の本社所在地であるフィンランドの港湾都市「ハンコ」へ工場を移転。
現在使用されている製品名「Hanko(ハンコ)」も、この街の名前に由来しています。
長い歴史と確かな技術を持つHeloの電気式サウナヒーターは、薪式サウナとは異なる快適性や扱いやすさを備え、住宅用サウナから本格的なアウトドアサウナまで幅広く採用されています。

「Hanko(ハンコ)」の特徴のひとつが、コンパクトな本体サイズでありながら、十分な量のサウナストーンを積載できる点。
限られたサウナ空間でも蓄熱量を確保できるため、ロウリュによる蒸気の変化や、身体を包み込むような熱の広がりを楽しめるのが魅力です。
| 型式 | サウナ室床面積 | 本体サイズ(W/D/H) | 消費電力 | 石積載量 |
|---|---|---|---|---|
| Hanko 60 | 2.5〜4.5m² | 365/250/575mm | 4.5kW | 32kg |
| Hanko 80 | 3.5〜6.0m² | 365/250/575mm | 6.0kW | 32kg |
引用|メトス公式HP「Hanko」
編集部
上平さん
石が多いほど熱を蓄えやすく、安定したロウリュを楽しみやすくなります。
「Hanko」はコンパクトな本体ながら32kgのサウナストーンを搭載できるため、省スペースでも本格的なサウナ体験を実現できます。

Hankoは、コンパクトなサイズながら十分な量のサウナストーンを搭載でき、ロウリュによる蒸気や熱の変化を楽しめる電気式ヒーターです。
イグルーサウナは通常、薪式サウナヒーターを標準仕様としていますが、COCO VILLA 飯綱高原では電気式ヒーターを採用しました。
電気式ヒーターを搭載したイグルーサウナの導入は、日本国内では初めての事例となります。
薪式サウナは、薪をくべながら火力を調整し、炎の揺らぎや薪が燃える音など、火を扱う体験そのものを楽しめる点が魅力です。
一方、電気式サウナはスイッチ操作で温度管理がしやすく、薪の準備や保管、灰の処理が不要なため、安定した運用がしやすい特徴があります。
| 項目 | 電気式サウナヒーター | 薪式サウナヒーター |
|---|---|---|
| 操作 | スイッチなどで操作しやすい | 薪をくべながら火力を調整する |
| 温度管理 | 一定の温度を維持しやすい | 薪の量や燃え方によって調整する |
| 薪の準備・保管 | 不要 | 必要 |
| 灰の処理 | 不要 | 必要 |
| 煙突 | 基本的に不要 | 必要 |
| 特徴 | 安定した運用がしやすい | 火を扱う体験そのものを楽しめる |
編集部
上平さん
ただし、設置する地域の気候に合わせて、適切な出力のヒーターを選ぶことが重要です。
屋外に設置する場合は、制御盤まわりも屋外環境に対応した仕様にするなど、その土地に合わせた設計を行っています。
COCO VILLA飯綱高原のイグルーサウナを楽しむポイントとは?

COCO VILLA 飯綱高原のイグルーサウナの魅力は、本格的なロウリュと飯綱高原の自然を、自分たちだけの空間でじっくり味わえること。
サウナ好きはもちろん、「熱いサウナは少し苦手」「水風呂に入れるか不安」という方でも、無理をせず楽しめます。
では、より心地よく過ごすためには、どんなことを意識すると良いのでしょうか。
初心者におすすめの入り方からロウリュの楽しみ方、そして飯綱高原だからこそ味わえるサウナ体験について伺いました。
編集部
上平さん
熱さが苦手な方やサウナ初心者の方は、無理に高温の環境に入るのではなく、まずは低めの温度から少しずつ慣れていくことをおすすめします。

サウナでは、「何分入る」「必ず水風呂に入る」といった決まった正解があるわけではありません。
その日の体調に合わせて短めに切り上げたり、水風呂の代わりにシャワーを使ったり、外の空気に触れながらゆっくり身体を休めたりと、自身の体調に合わせて無理をしないことが、気持ちよく過ごすための第一歩です。
そして、COCO VILLA 飯綱高原を訪れたら、ぜひ体験してほしいのがロウリュです。
熱したサウナストーンに少しずつ水をかけると、立ち上がった蒸気がイグルー型の室内へ広がり、じんわりと身体を包み込みます。
温度計の数字だけではわからない、湿度や熱の変化をダイレクトに感じられるのは、コンパクトな空間ならでは。
一度にたくさんの水をかけるのではなく、蒸気の広がりや身体の感覚を確かめながら、少しずつ楽しむのがおすすめです。
アロマロウリュを取り入れれば、蒸気とともに香りが広がり、より印象的なサウナ時間に。
ただし、使用する際は製品ごとの希釈方法や使用量を守ることも大切です。
上平さん
香りを強くしようとして入れすぎず、適切な量で楽しむことが大切です。

サウナでしっかりと身体を温めたあとは、水風呂で火照った身体をクールダウン。
サウナ室の熱から冷たい水へと移ることで、温度のコントラストがより鮮明になり、身体が少しずつ切り替わっていく感覚を味わえます。
水風呂は無理に長く入る必要はなく、その日の体調や冷たさの感じ方に合わせて楽しむことが大切です。
上平さん

水風呂やシャワーで身体を冷ましたあとは、飯綱高原の自然の中で外気浴を。
肌に触れる澄んだ空気や木々の間を抜ける風を感じながら身体を休める時間は、この場所だからこそ味わえるサウナ体験のひとつです。
季節によって空気の冷たさや風のやわらかさ、周囲の景色も変わるため、同じ場所でも訪れる時期によって外気浴の印象は大きく変わります。
冬には凛とした冷気が火照った身体を心地よく包み、夏には高原を抜ける風を感じながら、ゆっくりとクールダウンできます。
上平さん
飯綱高原の環境や空気を感じながら、その土地ならではのサウナの楽しみ方を味わっていただければと思います。

サウナで身体を温め、水風呂で熱を落ち着かせ、最後は飯綱高原の風や空気に身を委ねる。
その一連の流れの中に、この土地の自然が溶け込んでいることこそ、COCO VILLA 飯綱高原のサウナの大きな魅力です。
季節や天候によって変わる空気まで含めて、その日、その瞬間にしか味わえないサウナ時間を楽しんでみてください。
イグルーサウナの導入に関するよくある質問(Q&A)

イグルーサウナを導入する際は、本体の価格だけでなく、設置場所や搬入経路、電源、基礎、施工条件なども確認する必要があります。
ここでは、イグルーサウナの導入費用や納期、設置条件、サウナストーンのメンテナンスなど、導入前に知っておきたいポイントをQ&A形式で紹介します。
Q2. サウナの発注から設置までどのくらいかかりますか?
Q3. サウナは全国に設置できますか?
Q4. サウナの見積もりを依頼する際は何を確認しますか?
Q1. イグルーサウナの導入費用はいくらですか?
輸入製品のため為替レートの影響を受けるほか、設置地域や搬入条件、施工内容、付帯設備などによって費用が変わります。
屋外に設置する場合は、サウナ本体に加えて、電源の確保や基礎工事などが必要になる場合もあります。
そのため、具体的な費用は設置場所や条件を確認したうえで見積もりを取る必要があります。
Q2. サウナの発注から設置までどのくらいかかりますか?
在庫がある場合は、最短で発注から約3か月が一つの目安です。
ただし、設置条件などによって期間が変わるため、オープン時期や利用開始日が決まっている場合は、余裕を持って相談することが大切です。
Q3. サウナは全国に設置できますか?
ただし、実際に設置できるかどうかは、敷地の広さだけでなく、搬入経路や電源、基礎、周辺環境などによって異なります。
特にイグルーサウナは約450kgある屋外設置型のサウナのため、設置場所までどのように搬入するかも事前に確認しておく必要があります。
Q4. サウナの見積もりを依頼する際は何を確認しますか?
同じイグルーサウナでも、設置する場所によって必要な工事内容は異なるため、サウナ本体だけではなく、設置工事まで含めて検討することが重要です。
屋外サウナの場合は、設置環境によって追加の設備や施工が必要になることもあります。
まとめ

今回は、COCO VILLA飯綱高原に導入された日本初の電気式イグルーサウナについて、メトス担当者への取材をもとに、ヒーターの選定理由や熱の設計、ロウリュの特徴、快適なサウナ体験を支える工夫について紹介しました。
通常は薪式ヒーターを標準仕様とするイグルーサウナに、電気式ヒーターを組み合わせた今回の導入は、運用のしやすさと本格的なサウナ体験を両立した新しいスタイルといえます。
また、サウナの心地よい熱は、ヒーターの性能だけで決まるものではありません。
ドーム型の構造や断熱、換気、設置環境など、さまざまな要素を総合的に設計することで、自然の中で快適に楽しめるサウナ空間が生まれています。
& サウナ宿MEDIAでは、全国のサウナ付き宿泊施設や、そこで生まれる特別なサウナ体験、施設づくりに込められたこだわりを紹介しています。
サウナを目的にした旅先選びや、自分に合ったサウナ体験を探す際の参考として、ぜひ他の記事もチェックしてみてください。
1947年創業。
1966年にフィンランドからサウナを日本に導入した、サウナ文化のパイオニア。2006年にブランド名「METOS」を社名に変更し、現在は業務用・家庭用・アウトドアサウナから暖炉、介護浴槽まで幅広く開発・施工を展開しています。
2026年1月には、講談社出版の書籍『METOSが教える! 悩み別サウナの入り方 最高に仕上がるサウナの法則』にて監修協力を務めました。
上平さん
サウナは高温になる設備のため、ヒーターの性能やデザインだけでなく、断熱や換気、結露対策、ヒーター周辺の不燃処理など、利用者からは見えにくい部分まで考えて設計する必要があります。